こんにちは、鬼塚祐一です。最近、ドル建て保険の質問が多いです。
たとえば、ほけんの窓口や保険のビュッフェで相談すると、メットライフ生命のドルスマートをよく勧められます。
銀行の窓口でもメットライフ生命のドルスマートは熱心にセールスされています。
2016年10月1日までは、USドル建てIS終身保険という名称でした。
現在は、ドルスマートに変わっています。
ドルスマートがいったいどんな商品なのか?
徹底検証しましょう。^^
目次
メットライフ生命のドルスマートは、口コミで評判が悪いようです。なぜですか?
ドル建て保険を検討している方から、
「メットライフ生命のドルスマートは、口コミで評判が悪いようです。なぜですか?」
というご質問をいただきました。
こういうときは、口コミや評判はとりあえず気にしないで、自分の目で判断できるようにしておくと、今後、他の商品を検討するときも迷うことがありません。
いったいどこを見れば判断することができるのか?
それは、メットライフ生命のドルスマートのパンフレットを見れば分かりますよ。^^
表紙をめくると、最初に、積立利率3%最低保証、と書いてるのが目に飛び込んできます。
定期預金の利率が0.01%のご時世ですから、ドルスマートの3%は魅力的ですよね。
ただ、ドルスマートの3%が魅力的だからという理由だけで、契約して大丈夫なのでしょうか?
ドルスマートのパンフレットを詳しく見て、検証してみましょう。
10年払済の事例
ドルスマートのパンフレットでは40歳女性の10年払済の事例が掲載されています。
http://www.metlife.co.jp/lf1/bhp400/index.html
続いて、解約返戻金の表を確認してみます。
積立利率が3%の場合と、3.5%の場合が掲載されています。
http://www.metlife.co.jp/lf1/bhp400/index.html
最低保証が3%なので、仮に、積立利率が3%だったら、いくら戻ってくるのかを確認してみましょう。
10年後、50歳時点の解約返戻金を見て下さい。
払込保険料4万578ドルにたいして、返戻金は3万9794ドルしか戻ってきません。
なんと、10年経っても、元本割れです。
3%最低保証にもかかわらず。
なぜ、積立利率3%なのに、元本割れするのでしょうか?
3つの手数料が引かれます。
手数料がかかるからです。
商品パンフレットの42ページと43ページを見ると分かりますよ。
http://www.metlife.co.jp/lf1/bhp400/index.html
ご覧の通り、3つの手数料が引かれます。
1、ご契約にかかる諸費用
2、外国通貨のお取扱いにかかる費用
3、解約・減額の際にご負担いただく費用
これらの手数料が引かれるので、元本割れしてしまうわけです。
ひとつずつ確認してみましょう。
ご契約にかかる諸費用
ドルスマートは生命保険ですから、お亡くなりになると死亡保険金を受け取ることが出来ます。
当然、死亡保障は、無料ではありません。
死亡保障のための保険料が、手数料として引かれる、と思って頂くとわかりやすいと思います。
外国通貨のお取扱いにかかる費用
ドルスマートは、文字通り、ドル建てです。
なので、ドルスマートの保険料を払おうと思ったら、ドルで払う必要があります。
あなたは日頃から、ドルをたくさん持っていますか?
普通は持っていないですよね。
ということは、ドルスマートの保険料を払うためには、今持っている円を、ドルに両替して払うことになります。
メットライフ生命が、両替を、ボランティアでしてくれるでしょうか?
当然、ビジネスですから、手数料を取るわけです。
いわゆる為替手数料というものです。
先程の、40歳女性の事例の場合だと、為替手数料が約5万円引かれてしまいます。
解約・減額の際にご負担いただく費用
加入してから10年以内に解約すると、ペナルティが引かれます。
解約控除と言います。
これが、かなり大きいので、10年経っても元本割れしてしまうわけです。
もし、ドルスマートに加入するなら、10年間は絶対に解約しない、という強い意志が必要と言えます。
積立利率3%最低保証は、3%の利率で増えますよ、という話ではありません。
仮に、10年は解約しないで頑張って続けたとしましょう。
http://www.metlife.co.jp/lf1/bhp400/index.html
11年目でようやく少しプラスになってくれました。
25年経つと、わりと増えてくれてます。
4万578ドル払って、5万5521ドル戻ってきますから、1万4943ドルのプラスです。
ドルだと分かりにくいので、円に置き換えてみます。
仮に、為替レートが1ドル=110円だったとしましょう。
446万3580円払って、610万7310円戻ってくるので、164万3730円のプラスです。
164万円も増えるのであれば、嬉しいですよね。
率でいうと36・8%のプラスです。
ドルスマートの解約返戻金額例表を見ても、返戻率136.8%と書いてあります。
しかし、少し不思議に感じませんか?
ドルスマートの積立利率は、年3%の最低保証でしたよね。
年3%ということは、25年だと、3%×25年=75%
という計算になるので、
返戻率は少なくとも175%になりそうなものです。
しかし、パンフレットに記載の返戻率は136.8%しかありません。
いったい、どういうことなのか?
実は、積立利率3%最低保証というのは、年3%で増えますよ、という話ではありません。
なぜなら、先程お話ししたように、手数料が引かれるからです。
では、手数料はどれくらい引かれているのでしょうか?
計算方法はカンタンです。
まず、25年後に戻ってくる金額は、610万7310円でしたよね。
次に、3%で増えていたら、本当はいくらになるのかを計算します。
計算してみると、7万3193ドルになります。
円に換算すると、805万1230円です。
本来は、805万1230円になるはずなのですが、実際は、610万7310円しか戻ってきません。
差額は、194万3920円です。
このお金はどこに行ったのでしょうか?
手数料として、メットライフ生命が受け取っているわけです。
あなたは、194万円以上の手数料、どう思いますか?
私は、こんなに払いたくありません。^^
メットライフ生命のドルスマート以外の商品で効率よく増やしていきます。
>たとえば、こういう方法がありますよ。とってもカンタンです。
文章じゃ難しく感じるという場合は、
「積立利率3%最低保証は、3%の利率で増えますよ、という話ではありません。」
という内容を動画でもお話ししていますので、ご覧下さいませ。
ドル建ての保険はデメリットはありますか?
メットライフ生命のドルスマートを検討している方から、
「ドル建て保険はデメリットはありますか?」
という質問を頂きました。
先にメリットから話しますね。
ドルは円よりも金利が高いので、その分、円よりは増えてくれます。
つまり、円建ての保険よりも、ドル建ての保険のほうが利率が高いという特徴があります。
逆に、デメリットはどんなものがあるでしょうか?
為替の変動に注意!「円高になる前に今のうちにあの世に行こうかな。」
メットライフ生命のドルスマートを含む、ドル建ての保険は、当然、保険ですから、死亡保障が付いています。
その死亡保障が不安定という点がデメリットになります。
いつお亡くなりになるか?によって、受け取れる保険金が増えたり減ったりします。
たとえば、闘病生活をしていて、もうあまり長くない、と感じているとしましょう。
「来月あたり円高になりそうだな~。」
「円高になるということは、ドルが安くなるわけだから、ドルスマートの保険も少なくなるな。」
「そうなってしまうと、お葬式代が不足して、家族に迷惑がかかりそうだ。」
「円高になる前に今のうちにあの世に行こうかな。」
と考える人がいるでしょうか?
為替の変動によって自分の死期を決める人なんて、いませんよね。
保険というのは、家族が安心できるように、いつお亡くなりになっても大丈夫なように、加入するはずです。
まずは、必要な死亡保障の金額をきちんと計算してみましょう。
そのうえで、ドル建て保険で大丈夫なのか、家族は安心できるのか、をあらためて考えてみてはいかがでしょうか?
>ドル建て保険よりも効率よく増やしたい場合は、こういう方法がありますよ。^^
USドル建終身保険ドルスマートSの評判は?
メットライフ生命のドルスマートが2018年11月1日に改称されました。
新しい名称は、ドルスマートSです。
Sが付いただけですね。
ネットで検索しても、この記事を書いている現時点では、評判はあまり出てきません。
Sが付いたことで、いったい何が変わったのか?
メットライフ生命のプレスリリースを見ると分かります。
http://www.metlife.co.jp/about/press/2018/pdf/181026_02.pdf
三大疾病・介護給付終身保険特約が付けられるようになったそうです。
つまり、主契約は、何も変わっていません。
三大疾病・介護給付終身保険特約を付けたい人は、付けられますよ、ということです。
では、ここで冷静になって考えてみましょう。
USドル建終身保険ドルスマートSの売りは何なのか?
円建ての保険より積立利率が高い、という点です。
利率が高いから、お金を増やしたい人は、ドルスマートSを検討しているはずです。
お金を増やしたい人が、わざわざ、貯蓄性が下がる、特約をあえて付けるでしょうか?
おそらく、付けないのではないかと思います。
たとえば、老後資金ように、ドルスマートSで積立をしたとしましょう。
60歳のときに目標額になったから解約して、解約返戻金を受け取りました。
これで老後の生活費は大丈夫かもしれません。
しかし、解約すると、三大疾病・介護給付終身保険特約も、当然、なくなります。
三大疾病保障と介護保障が必要な時期って、いつでしょうか?
現役時代よりも、むしろ、60歳以降のほうが必要になってきますよね。
そのへんも注意が必要です。
ちなみに、ドルスマートは、銀行の窓口でも販売されています。
http://www.metlife.co.jp/lf1/ahplf1/wl_TOP.html
銀行の窓口で販売されているものに関しては、ドルスマートのままのようですね。
ドルスマートSにはなっていません。
ドルスマートを解約して投資信託をスタート!62万7843円のプラスです。
41歳自衛官の方の事例です。
防衛省共済組合の貯金の金利が下がったのをきっかけに、資産運用を考えはじめました。
SBI証券でNISA口座を開設して、投資信託をスタート。
初期投資額は、800万円です。
この800万円は、共済貯金から持ってきました。
月5万円で積立も始めました。
その後、メットライフ生命のドル建ての保険、ドルスマートを解約しました。
解約返戻金が320万円だったので、そのお金を投入して、SBI証券で、投資信託を追加購入しました。
これまでの投資総額は1250万円です。
それが、1312万7843円に増えてくれました。
62万7843円のプラスです。
ドルスマートの解約返戻金を活かして、効率よく増やせるようになりました。
また、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)も、月1万2千円でおこなっています。
個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は、楽天証券を利用しています。
699円のプラスです。
個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)の利益は、まだ可愛らしい感じですが、年末調整のときに大活躍してくれています。
年末に所得税がけっこう戻ってきて、翌年の住民税が安くなっています。
住民税が減っているので、お給料の手取りが増えているわけです。