こんばんは、鬼塚祐一です。
「新発売の、eMAXIS NASDAQ100インデックスは、どうなのか?」
という質問に、回答したいと思います。
eMAXIS NASDAQ100インデックス、これは、2021年の1月末頃に、発売されたばかりの新商品です。
ではこれから、eMAXIS NASDAQ100インデックスを、理解するために、下記の4つのチェックポイントについて、考えていきましょう。
・NASDAQ100とは?
・どれぐらい増えるのか?
・どれぐらい損するのか?
・投資先の銘柄をチェック
まず1つ目のポイント、NASDAQ100とは?について、説明します。
この、NASDAQ100の、NASDAQとは、何かというと、アメリカの証券取引所のことです。
この写真は、アメリカの証券取引所の2つを、載せています。
左がニューヨーク証券取引所という、世界一の証券取引所です。
私が、30歳の時に、ニューヨークに行った時に、証券取引所の前で、撮った記念写真です。
ウォール街にある、ニューヨーク証券取引所ですが、ここに上場している会社は、超一流の会社です。
それに対して、右側は、NASDAQという、証券取引所です。
NASDAQとニューヨーク証券取引所、何が違うのでしょうか?
ニューヨーク証券取引所は、超一流の会社が、上場している、ということをお話しましたね。
NASDAQは、いわゆるベンチャー企業系、よくハイテク株と、言われたりします。
IT系という風に考えて頂くと、分かりやすいかなと思います。
ですから、昔からある、伝統的な会社というよりも、ITの波に乗って、伸びてきた会社です。
例えば、アマゾン、グーグル、アップル、フェイスブック、などの会社のイメージを、持って頂くといいのかなという風に思います。
NASDAQ100は、NASDAQに、上場している会社の中でも、その中のトップ100だと思って下さい。
NASDAQの、トップ100に投資している、投資信託で、eMAXISが登場した、ということです。
では、2つ目のポイント、どれくらい増えるのか?について、考えていきましょう。
ヤフーのアメリカ版の、ヤフーファイナンスのグラフを使って、説明します。
まず、濃い青色のグラフを、見ていきますと、これが、NASDAQ100 ETFです。
つまり、NASDAQ100のETFの値動きを、表したものです。
2010年の10月末から、グラフが始まっており、現在、559%となっており、とても増えています。
それに対して、アメリカの株の、代表的な株式指数といえば、S&P500ですね。
この、S&P500も比較しました。
S&P500は、水色のグラフですが、これも223%と、すごく増えています。
ですが、S&P500の、223%よりも、NASDAQ100は、559%なので、更にその上をいっており、ものすごく増えています。
このように増えていますので、You Tubeなどで、NASDAQ100が熱い!という内容の動画が、たくさん出てきている、ということです。
これだけ見ると、すごい増えているな、と感じると思いますが、もう少し、詳しく見ていきましょう。
マイ インデックスというサイトから、NASDAQ100の、過去30年間のリターンを、確認してみましょう
先程の、ヤフーファイナンスの、グラフの期間だと、10年くらいの値動きしか見れませんが、マイ インデックスだと、もっと長い期間を、見ることができます。
NASDAQ100は、過去30年間だと、年平均リターンが、11.2%となっており、すごい数値ですよね。
そして、リスクが、27.8%です。
リスクが、27.8%と言われても、あまりよく分からないと思いますので、後ほど、説明します。
次に、S&P500、アメリカの代表的な株式指数の、過去30年間のリターンを、見てみましょう。
S&P500の、年平均リターンが、9.7%です。
NASDAQ100よりは、落ちていますが、S&P500の、リスクは、18.2%ですので、これも、随分と減っていますよね。
NASDAQ100のリスクは、27.8%ですから、S&P500は、だいぶ少なくなっていると言えます。
それでは、リスクについて説明します。
リスクは何かというと、標準偏差という言葉を聞いたことは、ありますか?
高校時代に理系だった方は、標準偏差を習っていると思います。
私は文系で、全然習いませんでしたので、今の、ファイナンシャルプランナーという職業になってから、標準偏差の勉強をしました。
標準偏差は、何かというと、この画像を、見てもらいながら、説明します。
https://www.smtam.jp/guide/management/risk/
真ん中の、グレーの線が、平均リターンだと、思って下さい。
例えば、先程の、NASDAQ100は、過去30年間の、年平均リターンが、11.2%でしたので、今回は、11.2%が、真ん中だとしましょう。
投資の世界では,、11.2%よりも、上に行ったり、下に行ったり、上下の振れ幅のことを、リスクという風に言います。
リスクと聞くと、多くの方が、イメージするのは、恐らく下落した時のことを、想像すると思います。
コロナショックや、リーマンショックの時に、株価が下がりましたが、そうしたことが、リスクだというイメージを、お持ちだと思います。
下がった時に、リスクという言葉が、使われるので、そうしたイメージ持ってるのが、普通だと思います。
実は、投資の世界では、上下の振れ幅の、上振れ、例えば、平均値が11%だとしたら、それよりも、20%、30%増えた場合、これも、リスクという考え方をします。
ですから、増えた時も、減った時も、平均値よりも、ずれている、振れている部分を、リスクという考え方をするんですね。
それを踏まえた上で、NASDAQ100のリスクは、27.8%とありましたよね。
分かりやすくするために、30%と考えます。
年平均リターンが、10%だとして、リスクが30%だと、どうなるでしょうか?
10% + 30%= +40%
つまり、+40%に増える年もあれば、逆に、
10% − 30%= −20%
−20%に減る年もあります。
+40%から、−20%になる確率が、68%だというのが、このリスクです。
1標準偏差という、言い方をします。
2標準偏差というものも、あります。
2標準偏差の場合は、
リスクの数値 ✕2になります。
先程のリスクは、30%で計算したので、同じ数字で考えるなら、2倍の、約60%の振れ幅になります。計算してみますと、
10% + 60%= +70%
10% − 60%= −50%
+70%に、増える時もあれば、−50%に、減る時もある、ということですね。
2標準偏差は、+70%から、−50%になる確率が、約9割ということになります。
つまり、NASDAQ100の場合は、上振れ、下振れが、かなり大きいということですね。
それに対して、S&P500の場合は、リスクが18.2%ですので、随分と小さくなっています。
18.2%だと、約2割なので、20%と考えますと、そして、年平均リターンが10%だとしたら、
10% + 20%= +30%
10% − 20%= −10%
+30%に増える年もあれば、−10%に減る年もある、ということです。
NASDAQ100と比べて、S&P500は、振れ幅が、少なくなるわけです。
ですので、S&P500は、NASDAQ100と比べて、増える時は、そこまで増えませんが、下がる時も、そこまで下がらない、という特徴があります。
この緑の波線を、S&P500、ピンクの波線を、NASDAQ100という風に思って頂けたらといいのかなと思います。
なぜ、NASDAQ100は、こんなに振れ幅が、大きいのでしょうか?
ハイテク系、IT系、ベンチャー企業系というのは、変動が非常に激しい、という特徴が、あるからです。
逆に、伝統的な、超一流企業、昔からあるような会社、というのは安定している、そんなイメージを、持って頂けたら、いいのかなと思います
それを踏まえたうえで、次の3つ目のポイントを、見ていきましょう。
どれくらい増えるのか、どれぐらい減るのか、つまり損をするのかは、先程、説明しましたが、もう少し、どれぐらい損をするのかについて、考えていきます。
先程紹介した、マイ インデックスの、年次リターンから、説明します。
リーマンショックが起きた、2008年を、見ますと、わずか1年で、52.9%も下落しています。
半分以上も、減っています。
もしあなたが、1000万円、投資してたら、1年間で、529万円も、吹き飛んでしまった、ということになります。
1年間で、投資した金額が、半分ぐらいに減ることに、耐えられますか?
多くの方は、耐えられないと思います。
私自身も、耐えられないと思います。
ということなので、NASDAQ100は、ものすごく減ります。
増える時は、たくさん増える代わりに、減る時は、ものすごく減る、大損をする、ということです。
多くの方は、半分ぐらいに減ることに、耐えられない、という話をしました。
私は、ファイナンシャルプランナーという仕事を、20年近くしています。
資産運用の、セミナー講師として、人前で話すようになったのは、2010年からなので、10年以上、経っています。
ですので、たくさんの方を見てきました。
皆さん、増える時は、問題は、ありませんが、減る時、つまり下がる時は、怖がられます。
1割下がっただけでも、
「怖くてたまりません。私は、なんで、投資なんてしてしまったんだろう、バカみたいだ。」
と自己嫌悪に陥る人もいます。
例えば、300万円を、投資していて、1割下がったら、30万円、損しているわけです。
仮に、投資している人が、パート主婦で、パート代が、月収8万円だとしたら、30万円のマイナスは、4ヶ月分の給料に相当しますから、ものすごく大きく感じると思います。
この投資が、NASDAQ100だとしたら、またリーマンショックのようなことが起きれば、半分下がり、150万円も、吹き飛ぶわけです。
そうすると、もう大パニックに、なりませんか?
もうパニックところが、思考停止になり、もうなにも出来ない、仕事も手に付かない、料理もできない、という状態になってしまうかもしれません。
「投資なんて、やるんじゃなかった。止めとこう。これからは、このまま預金だけで、過ごしていこうかな。」
と思ってしまうわけです。
そうすると、何のために投資を始めたのか、分からなくなります。
恐らく、皆さんは、将来も豊かに過ごすために、手段として、投資をしているはずです。
ところが、結局、損をして終了だと、何のために投資を始めたのか、分からなくなるわけですね。
では、資産運用を、きちんと当初の目的を達成するために、豊かな老後や教育資金などの、目標金額を達成するには、どうすればいいのでしょうか?
やはり、リスクを抑えた、自分のリスク許容度にあった、着実な資産形成をしていくことが大事だ、ということになるわけです。
投資が怖いから、預金で貯めようと思う方も、いるかもしれませんが、それで目標額を、達成できるのであれば、問題はありません。
問題はありませんが、多くの方は、例えば老後、2000万円問題など、預金だけで達成するのは、なかなか難しいわけです。
ということは、やはり、資産運用、つまり投資と、上手に付き合っていく必要があるのではないか、ということに、なってくるわけですね。
ですので、投資と上手に付き合うためには、できるだけリスクを抑えていくということが、必要になってきます。
リスクを抑えるためには、振れ幅が小さいものを、選ぶことです。
振れ幅を、小さくする方法は、簡単です。
投資対象先を、増やすことです。
NASDAQ100は、100社だけになりますが、S&P500は500社あるわけなので、NASDAQ100と比べて、400社も多いですよね。
ですが、NASDAQ100とS&P500、だけになると、アメリカの株だけの話なります。
世界は、100カ国以上あるので、投資できる国は、アメリカの株以外にも、他にいっぱいあるわけです。
ヨーロッパの国々にも、日本にも株式会社は、あります。
ですから、色々な国の株に、投資をしていきます。
さらに、株だけでなく、債券にも投資をしていきます。
そうすることによって、分散投資をしていくなら、リスクの振れ幅が小さくなるので、リスクを抑えて着実な資産形成に、つなげていくことが、できます。
まずは、分散投資を、きちんとして頂くのが、いいかなと思います。
分散投資するにあたって、色々な国の会社に投資するといいですよ、とお話しましたね。
多くの国の会社に、投資している商品として、代表的なものに、eMAXIS Slim 先進国株式が、あります。
これは、アメリカだけではなく、日本を除く、世界22カ国の会社に、投資している商品です。
アメリカだけに、投資するよりも、当然リスクが抑えられる、ということになるわけです。
それを踏まえた上で、このeMAXIS Slim 先進国株式が、どんな会社に投資しているのか?
それから、最後の4つ目のポイント、このeMAXIS NASDAQ100インデックスは、どんな会社に投資しているのか?
投資先の銘柄を、チェックしていきましょう。
まずは、eMAXIS NASDAQ100インデックスから、確認していきます。
ですが、発売されたばかりなので、目論見書を見ても、詳しいことは、書いていませんし、まだ、月次リポートも出てません。
なので、この同じ、NASDAQ100に投資している、iFree NEXT NASDAQ100インデックスという商品が、大和アセットマネジメントから発売されていますので、この月次レポートを、見てみたいと思います。
2020年12月30日現在の、月次レポートです。
組入上位10銘柄の、一部を見てみましょう。
アップル
マイクロソフト
アマゾン
インベスコ
テスラ
フェイスブック
NASDAQ100
アルファベット(グーグル)
おなじみの会社ですね。
こういう有名な会社に、投資しているということですね。
こうした会社が、10年間の間に、ものすごく伸びているので、NASDAQ100も伸びてきている、ということになるわけですね。
それに対して、もっとたくさんの国に投資している、eMAXIS Slim 先進国株式は、どこに投資しているのか?
こちらも、月次レポートを、見みましょう。
同じく、2020年12月30日現在の、月次レポートです。
組入上位10銘柄の、一部を、見てみましょう。
アップル
マイクロソフト
アマゾン
フェイスブック
アルファベット(グーグル)
テスラ
さぁ、見覚えありませんか?
「あれ?ほとんど、被ってるじゃない。」
と思われたかもしれません。
このように、iFree NEXT NASDAQ100インデックスと、eMAXIS Slim 先進国株式は、投資している会社が、まあまあ、被っているわけです。
iFree NEXT NASDAQ100インデックスは、組入上位10銘柄だけで、この商品の52%を占めてるので、ほとんど、この10社で、増えてるようなものですね。
組入上位の10社が、ものすごく増えているので、NASDAQ100も増えているということですね。
そして、eMAXIS Slim 先進国株式も、組入上位の10社の中に、ものすごく増えている、同じ会社が、入っているというわけです。
ただ、eMAXIS Slim 先進国株式は1286銘柄、いろんな国のいろんな会社に投資してますから、比率は少なくなっています。
例えば、eMAXIS Slim 先進国株式だと、アップルの比率は、4.7%です。
例えば、この商品に、100万円を投資したとしたら、100万円の内の、4万7000円で、アップルの株を、買うイメージです。
それに対して、NASDAQ100だと、アップルの比率は、11.4%です。
NASDAQ100に、100万円を投資したら、11万4000円は、アップルの株を、買うことなるわけです。
リスクを抑えた投資をするためには、様々な国に、分散投資をする必要がありますが、eMAXIS Slim 先進国株式だと、分散するための商品が、揃っています。
その商品の中に、アップルやマイクロソフトなど、今、急成長している会社が、入っているわけです。
分散投資する人は、eMAXIS Slim 先進国株式の中に、NASDAQ100と被っている商品が、入っています
ということは、その会社が伸びるなら、NASDAQ100を、持っていなくても、増えてくれるわけです。
さらにリスクも抑えることができる、ということで、きちんと分散投資を、したいなという方は、NASDAQ100にだけに、こだわらなくてもいいのではないかな、と思います。