こんばんは、鬼塚祐一です。本日は、時代遅れな投資信託3選という内容で、お話をします。
時代遅れな投資信託3選とは、一体何なのか?
・購入時手数料がかかる
・信託期間が決まっている
・毎月分配型
この3つです。
それでは、早速、解説していきます。
購入時手数料がかかる
これは、何かというと、投資信託は、購入する時に、手数料がかかる商品と、手数料がかからない商品があります。
投資信託で、手数料が、かからない商品のことを、ノーロード投信といいます。
ですので、商品によって、手数料がかかるものと、かからないものが、あるわけです。
よく、投資初心者向けの本や、投資についてネット上にある情報などには、手数料がかからない、ノーロード投信を、購入するといいよ、という風に書いてあります。
ちなみに、購入時手数料は、どれくらいかかるのか?
大体、3%の商品が多くて、消費税を入れると3.3%です。
今回は、分かりやすくするために、3%で、計算してみましょう。
3%は、金額でいうと、どれくらいかかるのか?
例えば、100万円分の投資信託を、購入しようとしたら手数料で、最初に3万円引かれるわけです。
すると、97万円からスタートすることになります。
いきなり元本割れしていまいます。
非常に効率が、悪いですよね。
まず手数料の3万円分を、取り戻すだけで、余計な時間が、かかってしまいます。
ということなので、購入時手数料が、かかる商品を選ぶと、運用効率が悪くなります。
それに対して、手数料がかからないノーロード投信を選んでおけば、100万円投資すると100万円からスタートできるので、効率がいいですよ、という風に言われています。
さらに最近、もっとパワーアップしてきており、ノーロード投信ではなく、手数料が、かかる投資信託でも、今では、手数料の無料化が、ネット証券を中心に、進んできています。
例えば、楽天証券のページを見ますと、2019年12月16日から、投資信託の買付手数料が、全部無料になりました。
なので、ノーロード投信だけではなく、他のすべての投資信託が、無料ということです。
2019年12月16日より前は、どのぐらい買付手数料が、かかっていたのか、事例を見てみましょう。
その当時、楽天証券で人気があった、買付手数料ありの人気ファンド上位5選の中の一部には、
・ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)
・東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)
・ダイワ・US−REIT・オープン(毎月決算型)
などが、入っています。
手数料が、
・ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドだと、最大3.3%
・東京海上・円資産バランスファンドだと、最大1.65%
・ダイワ・US−REIT・オープンだと、最大2.2%
とありますので、これだけ、手数料がかかっていたわけです。
以前は、楽天証券という、インターネットの証券会社を使っていたとしても、手数料が、かかっていました。
ところが、これも今は、無料になったわけですね。
こうした、購入時手数料のかかる商品は、他にも、色々な金融機関で、販売されています。
例えば、野村證券や、大和証券などの、窓口のある金融機関に、行っても購入できるわけです。
そうした金融機関で、購入時手数料のかかる商品を購入すると、当然、手数料が引かれます。
先程の、楽天証券の、ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドだと、最大3.3%と記載されていますが、実は、購入時手数料は、金融機関で手数料の金額を、決めることができます。
最大3.3%の時は、手数料は、3.3%までにして下さいという意味です。
最大3.3%以内であれば、各社が、自分のところは、手数料は、これぐらいにします、と選ぶことができるということです。
手数料がかかる商品は、大体は、最大で設定されていると思って下さい。
ですから、窓口のある金融機関で、購入時手数料のかかる商品を購入すると、手数料が、引かれてしまうわけですけれど、こういう商品でさえも、ネット証券は、無料にしてきたということですね。
購入時手数料を、全部無料にしているのが、楽天証券以外でも、SBI証券や、松井証券など、広がりを見せています。
購入時手数料が、無料なのは、メリットが、かなり大きいです。
もし、月1万円を、積立しようとする場合に、買付手数料が、3.3%かかるとしたら、毎月、330円が引かれてしまいます。
非常に効率が、悪くなりますよね。
手数料が、かからなければ、もちろん引かれないので、断然いいということです。
なので、購入時手数料がかかる、商品以外を選ぶようにして、仮に、手数料が、かかる商品であったとしても、手数料を無料にしてくれている、証券会社を選ぶなら、手数料が引かれないので、いいですよ、ということになります。
信託期間が決まっている
信託期間は、何のことなのか?
分かりやすくいうと、満期のことだと思って下さい。
例えば、保険や定期預金などは、満期がありますよね。
投資信託も、実は、満期がある商品があります。
それを、信託期間と言います。
そもそも、投資信託は、長期運用で、力を発揮する商品です。
ですから、1年間の間に、資産を増やしたいなという目的には、向いていない商品です。
例えば、積立NISAは20年間、非課税で、積立できますよね。
なぜ、20年間なのかは、投資信託が、長期で力を発揮する商品だから、それに合わせて、積立NISAは、長期で20年間、積立できる設計に、なっているわけです。
投資信託は、基本的に、長期運用するものです。
老後資金用に長期的に貯めたり、あるいは、お子さんが、生まれたばかりだと、18年後には、大学資金が、必要になります。
そうした、長期的に、将来的に必要になるお金を、効率よく増やしていこうという時に、投資信託を使うのが、基本的な考え方になります。
長期で運用したいのに、信託期間、つまり満期が決まっていたらどうでしょうか?
例えば、
「1年後に、満期で運用が強制終了です。現金化されます。」
だと困りますよね。
「老後のために、20年間、30年間、運用したいのに来年、満期だったら困る。」
となりますよね。
ですから、信託期間が決まっていない商品を、選びましょうということです。
今は、変わってきているかも知れませんが、以前は、信託期間が決まっている商品が、ものすごく多くありました。
なぜかというと、これは、証券会社の、ビジネスモデルを、考えると分かります。
証券会社は、利益は、どこで得ているでしょうか?
今、私が話している証券会社は、インターネットの証券会社ではなく、窓口がある証券会社や、銀行だと思って下さい。
投資信託を、販売している証券会社や銀行が、どこで収入を得ているかといいますと、1つ目の話で出てきた、購入時手数料です。
購入時手数料は、運用会社、先程、楽天証券で登場した、ピクテや東京海上などがもらうわけでは、ありません。
商品を販売した会社、つまり、証券会社や銀行に入ってきます。
ですから、購入時手数料で、稼ぎたいわけです。
稼ぐために、どうやって、もっと利益を上げるかというと、お客さんが、何回も売ったり、買ったりしてくれたら、何回でも、購入時手数料が、稼げますよね。
なので、1個の商品を、10年20年も、ずっと持ち続けられると、収入を得るチャンスが、ないわけです。
何回も売ったり、買ったりして欲しいわけですが、そうしてもらうには、どうしたらいいでしょうか?
満期を設けておけば、いいわけです。
信託期間が、数年と決まっていれば、それが終わった時に、証券会社や銀行は、
「次に、こんな商品がありますけれど、どうですか?」
と提案できますよね。
そうすると、お客さんは、
「じゃあ、それにしますね。」
となりやすいわけです。
それで、信託期間が決まっているものが多い、ということです。
信託期間が、決まっているかどうか、どこを見たら分かるのかというと、目論見書を見れば分かります。
目論見書は、最近だと、投資信託説明書と記載されている時もあります。
目論見書と説明書は、同じものです。
言葉の響きとしては、説明書の方が、分かりやすいですよね。
信託期間を、今まで気にしたことがなかった人は、チェックして見て下さい。
毎月分配型
毎月分配型は、何かというと、毎月、分配金という形で、お金が振り込まれてくるタイプです。
毎月分配型に関しては、ネットで検索すると、毎月分配型なんて買わないほうがいいという情報が、もう沢山でていますから、ずいぶん浸透しているのではないかなと思います。
それでも、銀行や証券会社の窓口で、勧められるがままに、購入して、毎月分配型持ってる人は、結構まだまだいっぱい、います。
毎月分配型と、そうでない場合は、どれぐらい受取額が、違ってくるのかを、お話したいと思います。
そのために、事例をご紹介します。
これは、ある商品の最新の、運用レポートです。
この商品が、今日本で売られている投資信託で、時価総額が3位の、毎月分配型の商品です。
ですから、とても売れている商品です。
まず、基準価格を見てみましょう。
基準価格は、何かというと、投資信託の値段のことだと思って下さい。
値段が2021年1月末で、2505円となっています。
発売された時の基準価格は、いくらだったのかというと、このグラフの一番左側を、ご覧下さい。
1万円です。
ちなみに、グレー色のグラフが、基準価格です。
投資信託は、発売される時に、1万円からスタートします。
1万円からスタートしたら、分かりやすいですよね。
1万円からスタートして、最初に増えて、2008年に暴落しています。
これは、リーマンショックですね。
そして、ぐんと減って、後は、ずっと低迷している感じですね。
下がり続けていて、2021年1月末時点で、2505円です。
1万円からスタートして、2505円に下がっています。
「うわっ!4分の1に下がっている。めっちゃ損してる!!」
と感じるかもしれませんが、これは、別に損をしているわけでは、ありません。
なぜかというと、この商品は、毎月分配型なので、2005年に発売されて、この15年間という期間中に、毎月分配金を、受け取ってきているわけです。
いくら受け取ってきているかというと、分配金実績を見ると、分かります。
直近の2021年1月12日だと、30円ですね。
これは、毎月30円、受け取っているということです。
多い時は、2010年4月〜2019年3月で、50円の月もありますね。
一番下の、設定来累計を見ますと、発売してスタートしてから、直近までの受取総額が、1万2390円となっています。
ということは、この1万2390円を、今まで、受け取ってきているわけですね。
おそらく大半の方は、受け取った分配金をお小遣いにして使っていると思いますが、今回は仮に、使わずに、1万2390円を、全て取っておいたとしましょう。
そして、今解約すると、いくら戻ってくるかというと、2021年1月末の基準価格が、2505円ですので、この2505円が、戻ってきます。
計算しますと、
分配金 1万2390円 + 基準価格 2505円= 1万4895円です。
1万4895円が、受取総額ということになります。
投資した額は、いくらだったのかというと、基準価格は、最初1万円でしたよね。
なので最初1万円で、投資した人は、解約すると、2505円しか戻ってこないですが、分配金も一緒に1万2390円を受け取っているので、総額1万4895円になり、約5000円のプラスになっています。
今度は、もし、その分配金を受け取らずに、再投資していたら、どうなっていたのかを、考えてみましょう。
先程のグラフのデータにある、赤いグラフが、基準価額分配金再投資後です。
1万円からスタートして、2021年1月末時点で、2万円と、その下の1万8000円のラインの間の少し上ぐらいにあるので、今回は、2万円だとします。
これは、どういうことかというと、毎月受け取れる、30円や50円の分配金を受け取らずに、再投資していたとしたら、基準価格は今頃、2万円になっていますよ、という意味になるわけです。
ということは、これが発売された時に1万円分、購入していた人は、今解約すると2万円、戻ってきます。
1万円のプラスです。
分配金を受け取らずに再投資した場合、1万円のプラスになるということです。
では、先程の分配金を、もらっていた人の、受取総額は、いくらでしたでしょうか?
1万4895円つまり、約1万5000円でしたね。
5000円のプラスです。
分配金を、もらった人のプラスは、5000円、分配金を、もらわなかった人のプラスは、1万円、その差は倍あります。
投資額が大きいと、もっと差がでてきます。
もし、1000万円を投資していたとしたら、分配金をもらった人は、1500万円、分配金を再投資した人は、2000万円です。
500万円もの差が、つくわけです。
ということになりますので、分配金を受け取るタイプというのは、将来的に資産形成がしたい人にとっては、効率が悪いということになるわけです。
なぜ、効率が悪いのかというと、それは、複利が関係してきます。
複利って聞いたことは、ありますか?
福利は、利息が利息を生んで、雪だるま式に、増えていってくれるというのが、複利です。
分配金を再投資したのが、まさに複利です。
分配金を受け取らずに、再投資することは、利息が利息を生んでいるということなります。
利益が利益を生んでいるので、効率よく、増えていくから、分配金を受け取らない人の方が、増えているわけです。
ところが、分配金をもらってる人は、利益を、既にもらっているわけですから、そのもらった利益に関しては、もう働いてくれないわけですよね。
だから効率が悪くなる、ということになります。
なので、お小遣いをもらいたい人だったら、毎月分配型も良いかもしれません。
しかし、そういう方でも、今は、もっと良い方法があります。
それは、証券会社によっては、毎月定額売却サービスというのを、行っている証券会社が、あるからです。
毎月定額売却サービスをしている証券会社は、SBI証券、楽天証券、SMBC日興証券、セゾン投信、ありがとう投信です。
確かこの5社が行っていますが、他にも探してみれば、あるかもしれません。
定額売却サービスを利用すると、毎月自分が、受け取りたい金額を、自分で決められます。
毎月分配型の商品だと、毎月もらえる分配金は、自分で決められません。
運用会社が分配金の金額を、決めるからです。
ところが、定額売却サービスを使えば、例えば、月10万円を受け取りたいなと思えば、月10万円と自分で指定が、できます。
しかも、そのための手数料は、無料です。
1円もかかりません。
毎月分配型の商品は、基本的に手数料が高いですし、分配金の金額も、自分で決められません。
それに対して、定額売却サービスであれば、そもそも手数料が安い商品を、自分で選べるわけです。
手数料が、安い商品を選びつつ、定額売却サービスを使えば、自分の好きな金額で、受け取れることができますし、定期売却サービスを使う時の、手数料も無料です。
投資信託の手数料のことを、信託報酬といいますけど、そもそも信託報酬が、安いものを選んでおけば、この毎月分配型を使うよりも、手数料が、かなり抑えられるということですね。
なので今や、お小遣いが欲しい方も、毎月分配型ではなくて、分配金がでない、信託報酬が安いインデックスファンドで、定額売却サービスで受け取っていく方が、効率が良いという風になってきました。
ということで、時代遅れな投資信託3選、まとめてみますと、
・購入時手数料がかかる
・信託期間が決まっている
・毎月分配型
ですね。
こうしたものは、効率よく資産形成をしたい方にとっては、今では、合わないかなという風になってきています。
それで、どういう商品を、購入すればいいのかというと、この逆の商品を選べば、いいわけです。
購入手数料がかからない、信託期間が無期限、毎月分配型ではない、無分配型を選ぶといいですよということになります。