こんばんは、鬼塚祐一です。投資初心者の方から、
SBI証券の中で、人気ランキング1位の「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」
について質問が、届きました。
「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドは、いくらから購入できるのか?いくら投資すべきなのか?何年後に売ればいいのか?」
という質問です。
SBI証券のホームページで投資信託のランキングを見ると1位は、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドになってますので、今一番売れているのが、分かります。
ランキング1位になっていると、良い商品じゃないかなと、気になりますよね。
それでは、質問に回答していきます。
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドは、いくらから購入できるのか?
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドのページの下の方を、見ますと、買付単位という項目が、あります。
買付単位の下に、金額、口数、積立と記載されています。
買付単位で金額とある場合は、一括で購入する時だと思って下さい。
金額:100円以上1円単位とあります。
つまり、一括の時は、100円から購入することが、できます。
小学生の、お小遣いでも買えますね。
それから、次に口数とありますが、普通、口数買付は、しませんので、ここは、気にしないで下さい。
最後に、積立ですね。
積立:100以上1円単位とあります。
これは、毎月積立や、毎日積立をしたい場合は、100円以上あればできると、いうことです。
ですから、一括で買う場合も、積立する場合も、100円あれば、購入することができます。
100円だったら、気軽に始められますよね。
いくら投資すべきなのか?
いくら投資すべきかを、考えるのは非常に重要です。
よくやりがちなのが、
「毎月のお給料が、これぐらいだから、2割ぐらい、貯蓄に回さないといけないよね。毎月この金額ぐらいだったら、投資に回せそうかな?」
という感じで、いくら出せるのかを先に、考える方がいます。
私は、その決め方は推奨しません。
では、何で決めるかというと、目的・目標額から先に決めます。
投資する目標は、いろいろあると思います。
私のお客様で、一番多い目標は、老後金を貯めることです。
なぜ多いのかというと、1年半ぐらい前に、金融庁の発表で、老後2000万円問題という報告書が、ありましたよね。
そこから話題になり、老後が心配だから、今のうちから貯めておこう、ということで、投資に興味を持つ方が、多くなりました。
それから、お子さんがいる方は、教育資金も、必要になります。
教育資金は、小中高で使う、お金ではなく、大学で使う費用です。
大学は、入学金、授業料など、まとまったお金が、必要ですよね。
私立大学だと、400万ぐらいかかると、言われてます。
大きな金額が必要だから、今のうちに貯めておこうと計画を立てる方も、いると思います。
後は、車を買いたいから、お金を貯めようとか、家を買いたいから、頭金を貯めようとか、旅行に行きたいから、旅費を貯めようなど、色々な目標が、あるかと思います。
投資した方がいいのか、しない方がいいのかを、見極めるためは、目標金額を、いつ実現したいのか?がポイントになります。
例えば、老後資金であれば、随分先になりますよね。
だけどもし、来年、車を買い替えたいとなると、直近の話になります。
この時に投資していいのか、してはいけないのかの目安があります。
目安は、10年です。
10年以上先に、使う予定のお金であれば、投資でOKです。
逆に、10年よりも前に、使うお金を投資しないで下さい。
なぜかというと、S&P500インデックス・ファンドは投資信託の一つですが、投資信託は、長期で運用することに向いている商品です。
投資信託が、本領発揮するのは、10年を超えた辺りからです。
10年以内になると、元本割れとかもあります。
元本割れだと、困りますよね。
ですから、10年以内に必要なお金は、投資に回しては、いけないということになります。
なので、
・来年、車を買いたい
・5年後に、旅行に行きたい
という目的のために貯めているお金は、投資するべきではないということです。
老後資金とか、教育資金とか、10年以上先に使う車の買い替えとかの、お金であれば、投資に回してOKということになります。
いくら投資すべきなのか?を、今回は、全人類に共通する、老後資金の金額で、考えていきたいと思います。
老後資金のシミュレーションをするために、大和アセットマネジメントのサイトにある、人生100年時代シミュレーションが便利なので、このツールで、計算してみましょう。
積立投資シミュレーションを、選択します。
始める年齢を入力しますが、質問者さんの年齢が分からなかったので、今回は、私の年齢の42歳でいきます。
年齢を決定すると、最初の画面は、将来いくらになる?という画面になっているかと思いますが、ここではなく、その隣の、毎月の積立額はいくら必要?と記載されているタブを選択して下さい。
これで何が分かるのかというと、いくら投資すべきなのかが、分かります。
毎月の積立額はいくら必要?のタブなので、毎月いくら積立すればいいのかが、これで分かるということです。
目標金額は、老後2000万円問題が、話題になったので、2000万円で計算して見ましょう。
そして、運用する期間は、私が、42歳ですので、65歳までに貯めようと思ったら、23年間ですね。
想定利回りは、S&P500のリターンにします。
S&P500のリターンを確認するために、マイ インデックスというサイトを見てみます。
マイ インデックスで、便利なのが、過去の長期間の年平均リターンが、見れることです。
S&P500で、運用した場合のリターンは、過去15年間だと、8.8%、過去20年間だと6.7%、過去30年間だと、9.7%と記載されています。
今回は、過去30年間の9.7%にしましょう。
人生100年時代シミュレーションに戻り、想定利回りを、9.7%に設定して、計算しますと、すぐに結果が出てきます。
まず0%の場合から、見ていきましょう。
0%の場合は、単純に、銀行の預金に入れっぱなしで、積立していく場合だと、毎月7万3000円、積立が必要だということです。
それにたいして、投資信託・S&P500で行うと、9.7%で、毎月2万円です。
月2万円で、23年後には、2000万円に到達できるということです。
ですので、いくら投資すべきかの答えは、月々2万円するのが正解、ということになるわけです。
これは、皆さん一人一人目標は、違うと思いますので、ご自身で試算してみて下さい。
何年後に売ればいいのか?
これは、カンタンです。^^
65歳の時に、老後資金の目標金額を、達成しているのであれば、65歳で解約すればいいだけの話です。
ただ私の場合は、解約はしません。
老後資金は、生きていれば、一生かかるものですよね。
少しでも、投資したお金を長持ちさせたいので、このお金を更に、運用しながら、必要な分だけを、取り崩していきます。
大和アセットマネジメントの、人生100年時代シミュレーションには、取り崩しシュミレーションもできますので、そこから計算してみましょう。
今回は、取り崩しを始める年齢を、65歳から取り崩す、に設定します。
次に、毎月の取り崩せる金額は?というタブを選択して、金融資産を、2000万円に、設定します。
そして、取り崩す期間を、90歳まで取り崩していくと考えて、25年間にします。
想定利回りは、S&P500の、9.7%で、計算します。
老後に、米国株だけに投資するのは、変動が激しいので、危険だと思いますが、今回は、ひとまず、これで計算します。
これで、シュミレーションすると、月々いくら受け取れるのかが出てきます。
毎月、17万7000円を受け取れる、という結果になりました。
もし運用しないで、2000万円を、ただ現金で置いておいて、それを取り崩していくだけだと、毎月6万6000円しか、使えません。
ということなので、老後資金とかに関しては、何年後に売ればいい?という質問の回答は、65歳までは、まず売らない、そして、65歳からは、必要な分だけ売っていく。
先程のシミュレーションだと、月17万7000円分だけ売っていく、ということですね。
これに関しては、例えば、月17万7000円だけ、現金化したい、ということができる、証券会社がいくつかありますので、そうした所を、使っていけば、手間要らずということになります。
自分でタイミングを、決めなくていいのが、楽チンですよね。
今回は、老後資金で、説明していますが、教育資金とか、車の買い替えとか、旅行のお金というのは、いつ使うかを決めておけば、その使う時が、売り時ということになります。
例えば、10年後に、車を買い替えると決めておけば、売るのは、10年後です。
相場がいいか、悪いかではなく、あくまでも、目的しだいです。
何のために、いつ使うのか?
使う時が、売り時です。
目的をきちんと決める、ということが非常に重要です。
それから、先程も少し触れましたが、老後に米国株、S&P500だけで、運用するのは、リスクが非常に大きいです。
老後に限らず、今現時点でも、米国株だけで運用するのは、リスクが高いです。
これは、冷静に考えれば、分かることですが、S&P500のリターンが、過去30年間だと、9.7%と高いわけですから、リクスも当然、高くなるということです。
特に今、インフルエンサーと呼ばれる方々が、米国株を推していますよね。
すると、投資初心者の方は、米国株だけで投資するのが、いいのかなと思うはずです。
その結果、SBI証券の中で、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドが、ランキング1位になっているのかなと感じます。
S&P500で運用すると、リターンが高いので、増える時は、とても増えるので、多くの方は、ずっと増え続ける、というイメージになってしまうかもしれません。
ですが、途中経過で、必ず、下落はあります。
その下落が、ものすごく大きいということは、きちんと、理解しておかなければいけない、ということです。
どれぐらい下がるかを、見てみましょう。
グーグルで、S&P500と検索すると、S&P500の値動きが、出てきます。
一番長期で見たいので、最大を選択しますと1981年のデータから見れます。
大きく下がっているところが、3つあります。
1つ目は、2000年代で下がっていますが、これは、ITバブル崩壊の時です。
2つ目は、2008年に大きく下がっていますが、これは、リーマンショックです。
3つ目は、2020年の3月のコロナショックで、下がっています。
リーマンショックの時は、半分以下で、6割くらい下がっています。
ITバブル崩壊の時や、コロナショックの時は、4割ぐらい下がりました。
この4割や6割の下落に、耐えられますか?
最初に積立している金額が、小さい時はいいと思います。
もし、これが積み上がってきて、65歳で、2000万円になった時に、6割下落すると、1200万円が吹き飛んで、手取り800万円に、なってしまうということになるわけです。
耐えられますか?
普通は、こんなに大きな下落には、耐えられません。
私は、ファイナンシャルプランナーの仕事を、20年近くしてきました。
だから、色々なお客様を、見てきましたけど、6割の下落なんて、耐えられません。
仕事が手に付かない、家事も手に付かない、眠れなくなる、自己嫌悪に陥る、体調崩す、みたいなことが、次から次に起きてくるというような事になるので、投資を続けられなくなります。
ですから、米国株だけで運用するということは、大きいリターンと引き換えに、こうした、大きなリスクも背負うことになることは、きちんと、理解しておかなければいけません。
こんなリクスは背負えない、だけど、効率よく増やしていきたい場合は、どうしたらいいでしょうか?
ご安心下さい、方法は、あります。
その方法のひとつが、分散投資というものです。
分散投資が何かというと、今回の質問に出てきている、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド、これも、分散投資をしています。
例えば、どこに分散投資をしているのか、中身を見てみると、アメリカの会社に投資をしています。
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの、月間レポートを、見てみましょう。
組入上位10位銘柄の中に、アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット(グーグル)、フェイスブック、バークシャー・ハサウェイ、などが入っています。
そして、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドは、アメリカの色々な会社の、500社くらいに、投資しています。
1社に投資するよりも、500社に投資した方が、リスクは抑えられるというのは、分かると思います。
ただ、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドは、アメリカだけにしか、投資をしていません。
ですので、リスクを抑えようと思ったら、アメリカだけではなく、日本やヨーロッパの国々の株にも、分散して投資しておくと、よりリスクが、抑えられます。
さらに株式だけではなく、もう一つ、大きな投資対象市場として債券が、あります。
債券の代表的なものに、国債というものがあります。
国債というのは、文字通り国が発行する債券なので、会社が発行する株式に比べると国の方が、巨大で、安心安全ということで、リスクが低いです。
しかも債券は、株と逆の動きをする傾向にあります。
例えば、コロナショックで、株価は、大暴落しましたけど、その時に、債券は、値上がりしました。
ということは、債券にも投資することで、リスクが、抑えられます。
債券の利益が、株の下落分を補ってくれる、ということができるわけです。
ですから、きちんと分散投資をしてリスクを抑えると、何がいいのかというと、コロナショックやリーマンショック、ITバブルが弾けた時のようなことが、起きたとしても、リスクが抑えられるので、資産運用を続けられるということです。
そして、続けた結果、大きな資産形成につなげることができる、ということになります。
リスクは怖いな、という場合は、分散投資も、選択肢に入れて頂くといいのかなという風に思います。