こんばんは、鬼塚祐一です。
「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドは、配当金がありませんよね?配当金がない場合、基準価格の変動のみで、利益を得るということになるのでしょうか?」
という質問に、回答したいと思います。
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドという商品は、投資信託の一つです。
SBI証券や楽天証券などで購入できます。
今回の、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの運用会社は、SBIなので、仮に、SBI証券で購入したとしましょう。
あなたが投資したお金は、バンガードというアメリカの運用会社で、運用されます。
バンガードは、一体、何に投資しているのでしょうか?
まず、S&P500というのは、株価の指数のことです。
日本でいうと、日経平均株価という言葉を、耳にすることが、あると思いますけど、そのアメリカ版だと、思って下さい。
日経平均株価は、日本の225社の平均の株価のことです。
それに対して、S&P500は、アメリカの500社の平均の株価です。
厳密に言うと、505社です。
約500社の、株の平均だと思って下さい。
つまり、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドという商品は、アメリカの500社に投資をしている、投資信託だということになります。
アメリカの有名な会社、例えば、アップルやナイキ、スターバックスなどが、ありますよね。
そうした会社に、投資しているわけです。
質問は、配当金がないという話でしたね。
ここで、投資に出てくる、専門用語について、少しお話したいと思います。
配当金という言葉がありますよね。
もう一つ、分配金という言葉を聞いたことは、ありますか?
配当金と分配金は、違うものです。
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドという商品には、「分配金」がありません。
配当金ではなく、分配金です。
では、先に、配当金が、何なのかを説明します。
例えば、アップルの株を買ったとしましょう。
株を買うと、株主になるわけです。
その株主に対して、アップルが、
「あなたが出してくれたお金で、商売して、利益が出ましたから、配当金という形でお礼を払いますね。」
と配当金で、払うわけです。
つまり、個別の株を買って、もらえるのが配当金です。
それにたいして、今回の質問の、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドという商品は、投資信託ですよね。
投資信託の場合は、まず投資した会社から、投資信託の販売会社に、配当金が、入っています。
この配当金は、投資信託の中に組み込まれていきます。
その投資信託から、入ってきたお金の中から、SBI証券が、分配金という形で、皆さんの口座に振り込まれてくる、という流れになります。
ですから、投資信託から、受け取るものは、分配金と言います。
つまり、投資信託から受け取れるものは、配当金とは、言えません。
利益を皆さんに、分配するから、分配金という、そんな覚え方でもいいかと思います。
なので、会社から受け取れるものは、配当金。
投資信託から、受け取れるものは、分配金、ということですね。
どちらも似たような言葉なので、ややこしいですが、知っておくといいのかな、という風に思ったので、お話しました。
「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドは、分配金がない。基準価格の変動のみで、利益を得るの?」
についてですが、これは、結論から言うと、配当金が入ってくると、基準価格は、上がります。
基準価格の変動のみで、利益を得るの?というのは、要は、配当の利益は、ないのか?というイメージを持っているのだと思います。
これに関しては、配当金の利益も込みで、基準価格に反映されます。
今回の、
「基準価格の変動のみで、利益を得るの?」
という質問の裏側の意図として、S&P500インデックス・ファンドは、アメリカの会社に投資しているわけですが、その株価の値上がり益だけが、利益なのか?というご質問だと思いました。
結論は、そうではありません、ということになります。
当然、株価の値上がり益もありますが、株価が値上がりすれば、基準価格も上がります。
それにプラスして、505社に投資しているわけですから、505社から、配当金が当然、投資信託に、入ってきます。
それも利益なので、配当金も合わせて、基準価額が、上がるということです。
そもそも基準価格は、どうやって決まってるかというと、こういう計算式になります。
基準価格 = 純資産総額 ÷ 総口数
純資産総額は、何かというと、これは投資家1人1人が、出し合った全員の投資総額です。
投資総額なので、実際の金額を見てみましょう。
SBI証券のホームページ、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの、月間レポートを見てみます。
そうしますと、基準価格等の推移のグラフが載っていますが、水色のグラフは、純資産総額を表しています。
純資産総額が、661億1120万円に、なっています。
発売されたのは、2019年9月なので、短期間で、お金が、かなり集まっていますね。
この動画を撮影したのは、2020年10月7日ですので、今現在は、約1年経っています。
この月間レポートが出たのは、2020年8月31日を、基準にしているので、1年経たずに、661億、集まっていると、すごく売れているのが、分かりますね。
この、661億というのは、皆さんが、投資した現金もありますし、それが、値上がりした利益分と配当金も、全部ひっくるめて、661億ということに、なるわけです。
それから、口数です。
おそらく、皆さんは、投資信託を買うときに、口数は、意識してないと思います。
例えば、毎月1万円積立とか、100万円を一括投資とか、円で意識していると思います。
実は、その投資した金額によって、何口か購入しています。
ちなみに、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの基準価格は、1万1643円となってますけど、これは、1万口あたり1万1643円という意味です。
なので、この商品は一口、1円16銭になります。
とういうことは、1万円出すと、一口、1円16銭で、何口購入できるのかという、計算になるわけです。
ですから、皆さんは、買うときは、金額で意識していると思うんですが、実は、口数で、何口購入している、何口保有していると、いうことになります。
その総口数は、皆さん1人1人、何千、何十万口と保有しているわけです。
総資産総額661億円を、総口数で割ります。
そうすると、一口あたりの、基準価格が分かります。
実際、月間レポートで表示されているのは、1万口あたりの、基準価格でしたね。
1万口あたりの金額が、載っているということになります。
この式を、踏まえた上で、計算してみます。
基準価格 = 純資産総額 ÷ 総口数
1万1643円 = 661億円 ÷ 568億口
月間レポートを見ますと、総資産額は、661億円、基準価格が、1万1643円でした。
ここから逆算して、総口数、何口か計算してみたら、約568億口でした。
全員で568億口を、持っています。
それを、661億円を割ると、1万1643円です。
厳密に言うと、
1万1643円 = 661億円 ÷ 568億口 × 1万口
で、計算しています。
これが、現時点だとしましょう。
今度は、配当金の話をします。
例えば、投資した会社から、配当金が、振り込まれてきたとします。
本来なら、決算月は、それぞれの会社で違いますから、いつ入ってくるか、会社によって、違うと思いますが、今回、その点は、置いておきます。
ある会社が、決算で配当金が、投資信託の中に入ってきて、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの中に振り込まれ、その金額が、10億円だとしましょう。
すると、純資産総額が、
661億円 + 10億円 = 671億円
になるわけです。
元々、純資産総額が、661億円あったところに、配当金、10億円が、入ってきたので、671億円ですよね。
そうすると、この時の基準価格は、いくらになるのか?
計算式は、先程と同じものになります。
基準価格 = 純資産総額 ÷ 総口数です。
1万1813円 = 671億円 ÷ 568億口
ざっくりと計算して、1万1813円ということになります。
ということは、基準価格は、上がっていますよね。
なぜ、上がったのかというと、配当金が入ってきたからです。
質問にあった、基準価格の変動のみで、というのは、株価の値上がり益だけではなくて、配当金の分の利益も実は、基準価格の中に含まれているんだ、ということです。
配当金の、利益もあるということですね。
次に疑問に思うのは、質問で、配当金がないというのは、投資信託からの分配金が、もらえないタイプですよね?ということを、言われているのではないかなと思います。
質問者さんは、今、分配金が、出ていないから、もらえないだろう、と考えているかと思います。
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドが、発売されたのが、2019年の9月26日です。
投資信託の分配金は、決算を終えて、分配金を出します。
「この1年は、こういう運用成績だったので、それに伴い、今年、分配金は、このくらい、出しますよ。」
というのを行うわけです。
そして、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの、目論見書に、決算頻度が、年1回と記載されています。
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの、決算日を確認しますと、2020年9月14日に行っています。
2020年9月14日に決算して、SBI証券の、ホームパージの、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドのページの、分配金実績を見ますと、分配金は、0円と記載されています。
分配金は、出さない方針の商品なんだろうなということが、ここで分かります。
ただしこれは、今後も出さない、というわけではありません。
2020年は、決算した結果、今回は出しませんでした、ということなんです。
なので、翌年以降も、どうなってるか、毎年、チェックする、ということになります。
ということなので、分配金を、出さない商品だからといって、配当金が、もらえないわけではない、ということです。
会社からの、配当金は、純資産総額に入ってきて、その分が、基準価格に反映されている、ということです。
それで、この商品で得られる利益というのは、株の値上がり益プラス配当金の2つになります。
私が最近、少し懸念してるのはS&P500が、すごいブームになっていることです。
特に、You Tubeやインスタなどを見ると、投資の経験がない、若い方を中心に、
「これに投資しておけば、儲かるだろう。」
という、軽いノリで投資してしまっているケースが、増えてきているのではないかな、という風に感じています。
私としては、投資する人が増えるというのは、もちろん、すごく嬉しいです。
S&P500は、株式投資なので、確かに高いリターンは期待できます。
ですが、リターンが高いということは、リスクは、どうなると思いますか?
実は、リクスは、ものすごく、大きくなります。
例えば、リーマンショックのようなことがあった時に、投資した金額が、半分以下ぐらいに減る、ということが、起きます。
それでも、
「私は、投資した金額が半分ぐらいに減ったとしても、大丈夫。」
または、その覚悟を持つことができるなら、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドを、購入して下さい。
しかし、多くの方は、投資した金額が半分以下に減るのは耐えられません。
一般的に、初心者の方がやる投資の手法として、分散投資というリスクを抑えた方法が、推奨されているケースが多いです。
私も分散投資を、推奨しております。
分散投資なので、アメリカの株だけじゃなくて、他の国の、株式であったりとか、アメリカ+日本とか、ドイツ、イギリス、オーストラリア、香港とか組み合わせるなどしています。
それから、債券というものもあります。
債券は、株よりもローリスクなものです。
債券を組み合わせることによって、着実に資産形成をしていこう、というのが投資の一般的な考え方になります。