こんばんは、鬼塚祐一です。
「今から、つみたてNISAで「ひふみプラス」に積立するのは、遅いのでしょうか?」
という質問が、ありましたので、回答していきたいと思います。
ひふみプラスは、レオス・キャピタルワークスという運用会社が、作っている投資信託です。
元々、ひふみ投信という商品があります。
ひふみ投信というのは、ひふみが、直接販売しています。
ひふみ投信は、ひふみでしか、購入できません。
他の金融機関でも、購入できるようにしたのが、ひふみプラスです。
ひふみプラスの場合は 、SBI証券や楽天証券など、様々なところで、購入できます。
例えば、私の地元は、福岡県福岡市ですが、福岡銀行でも、ひふみプラスは、購入することが、できます。
それから、ひふみ年金という商品も、あります。
ひふみ投信も、ひふみプラスも、ひふみ年金も、中身は全く一緒です。
ひふみ年金は、年金と商品名にありますから、なんとなく分かるかと思います。
個人型確定拠出年金つまり、イデコです。
イデコの中で選べる、ひふみが、ひふみ年金という名称で、販売されている、ということです。
ひふみ投信、ひふみプラス、ひふみ年金、この3つ、どれを購入したとしても、運用成績は、同じになります。
さて、冒頭の質問。
「ひふみプラスに積立するのは、遅いのでしょうか?」
に答えるためには、ひふみプラスの基準価格が、どうなっているのかを、知る必要があります。
基準価格というのは、投資信託の、値段のことだと思ってください。
ひふみプラスは、その基準価格が、すごく上がっています。
基準価格が上がると、どう感じますか?
多くの方は、この2つのパターンのどちらかです。
・熱狂する
・悲観する
1つ目は、上がっていくと、熱狂し、欲が出て、
「上がってるから、この波に、乗り遅れちゃいけない。今のうちに、預金用のお金を、投資信託に入れちゃおうかしら。」
と考える人が、います。
人は、どうしても上がっているものが、欲しくなる傾向にあります。
2つ目に、悲観する、つまり冷静に考える人は、
「今、上がっているということは、言い換えると、高くなっているってことだよね?今は高いけど、これは、下がる可能性も、あるんじゃないのか?」
こんな風に考える人も、いるわけです。
ですから、熱狂する人と、悲観する人に、分かれるのかな、ということです。
そして、ひふみプラスは、基準価格が、ずっと上がり続けているわけですね。
基準価格推移を、確認してみましょう。
ひふみ投信で、基準価格推移を見た方が、もっと長い期間で見れますが、今回の質問は、ひふみプラスだったので、ひふみプラスの基準価格推移を、見ていきます。
ひふみプラスが発売されてからの、基準価格です。
発売されたのは、2012年5月28日です。
投資信託は、発売される時に、基準価格1万円からスタートします。
もう少し細かくいうと、一口、1円です。
ですから、この基準価格1万円と、書いているのは、1万口あたりの価格だと思って下さい。
一口、1円。
1万口で、1万円です。
それで、発売する時は1万円からスタートします。
ひふみプラスは、1万円からずっと、どんどん上がっていき、2018年は、米中貿易摩擦の関係で、下がりました。
また上がっていき、2020年の3月のコロナショックでも、下がりましたが、再び上がっていってますね。
今は、4万7000円くらいに、なっています。
ということは、1万円でスタートして、4万7000円、この8年間で、約5倍に上がっています。
そのため、今回の質問者さんは、
「こんなに上がってるから、ひふみプラスを開始するのは、遅いのかな?今更こんなに高いのは、買わないほうが、いいんじゃないのかな?」
と感じているのだと思います。
投資を開始するタイミングは、上がっている時ではなく、まだ低い時に、投資をするのが、いいのかなという風に、感じているのだと思います。
私は、投資信託に関しては、基準価格を、全然気にしなくていい、と考えてます。
ネットなどで、検索すると分かると思うんですが、投資信託の場合、基準価格は全く気にしなくていい、全く関係ない、という風に、書いてあるかと思います。
ひふみプラスの、基準価格推移を見ると1万円よりも、4万7000円の方が、高いと感じるかもしれませんが、そこは、気にする必要はありません。
それよりも一体、ひふみプラスが、何に投資をしているのか?を知ることで、今後どうしたらいいのか、分かるかなと思います。
ひふみプラスの投資の中身ですが、主に国内株に投資しています。
ひふみプラスの、目論見書を見てみます。
・日本82.56%
・海外11.65%
ということで、1割ほどアメリカの外国株が、入っています。
国内は82%なので、ほぼ国内株と言っていいでしょう。
もともとは、国内株だけでしたが、2、3年前から、アメリカの外国株も少し、入れ始めました。
今回の質問は、ひふみプラスに積立するのは遅いのか?でしたね。
この質問は、
「今から国内株に投資するのは、どうなの?」
ということに、置き換えて考えることが、できるのではないか、ということです。
国内株の、過去の値動きを、見てみたいと思います。
このグラフは、国内株だけではなく、アメリカ、ドイツ、イギリス、日本の過去30年間の株価の推移を、表したものです。
1986年からの30年間です。
30年間の間に一番、上がったのは、アメリカです。
なんと、8.48倍に値上がりしています。
その次に、ドイツは7倍以上、続いて、イギリスも4倍近くまでに、値上がりしています。
日本は、1.06倍です。
増えても、減ってもいないような状態です。
全然成長しなかったなぁ、ということなんですね。
そう考えると、
「あれ?もう日本って、ダメじゃないの?」
という風に、感じるかもしれません。
もう少し深掘りしていきます。
日本の株価は、ずっと横ばいだったにもかかわらず、ひふみプラスの基準価格は、ずっと上がっていますね。
不思議に感じませんか?
日本はずっと停滞してるのに、なぜ、ひふみ投信だと、こんなに上がっていくのか?
その秘密は、1998年から2019年までの、日本の株価のグラフを見ていくと分かります。
まず、黒いグラフを、見て下さい。
東証1部全体と、書いてあります。
これが、いわゆるTOPIX(トピックス)です。
東証株価指数と言われるもので、1部上場企業、2200社の平均の指数だと思って下さい。
TOPIXも、この20年で見ると、幅があり、上がったり、下がったりしていますが、2019年時点では、少し上がってるということですね。
20年前に比べると、3割か4割ぐらい上がっている感じです。
それに対して、グレーのグラフを、見て下さい。
小粒な企業とは、どんな企業のことなのか?
グラフの下に詳しく書いてありますが、スモールは上位500を除く、小型企業の約1650社が、対象ということです。
約2200社ある中の、上位500つまり、大企業を除いた、中小企業のみの株価を抜き出すと、倍以上に値上がりしています。
逆に、上位30社、超一流大手企業だけの、株価を見ますと、その後、元本割れしています。
20年かけて、元本割れです。
3割ぐらい、減ってますね。
不思議なのは、1650社の株価は、倍以上に、上っていることです。
わずか30社の株価が、3割ぐらい減ってると、東証1部全体の指数は、少しプラスという結果になっています。
なぜこうしたことが、起きるのかというと、上位の会社が、発行している株数が、多いからです。
ですから、どんなに中小企業の1650社が、頑張ったとしても、大企業の発行している株の時価総額が大きいので、それが下がると、全体の平均を、押し下げてしまいます。
それで、TOPIXが、イマイチになっています。
先程のアメリカ、ドイツ、イギリス、日本の過去30年間の株価の推移のグラフで、日本が横ばいだったのは、言い換えると、大企業がイマイチだったということです。
中小企業は、頑張っています。
なぜ、このような差が表れるのか、といいますと、様々な要因があると思いますが、一つは社長が誰なのか、というのがあります。
大企業の社長って、分かりますか?
例えば、日経新聞の最終ページにある、私の履歴書というページに、大企業の社長が、引退されてから書いてる記事が、掲載されていることがあります。
それを読みますと、小さい頃から勉強して、いい大学を出て、いい会社に入って、成り上がって、社長になるというような、ケースが基本的には、大きな会社の社長です。
また、どこか別の会社から、移動してきて社長になる、というパターンも、あるかと思います。
つまり、自分が作った会社ではない、ということです。
すでに大きかった会社に入って、そこから上り詰めていった、という感じです。
それに対して、小粒な企業、中小企業の会社の社長は、どういった社長かというと、オーナー社長と言われています。
自分が作った会社です。
自分が会社を立ち上げて、成長して、上場した会社です。
そして、自分の会社なので、モチベーションが、雇われ社長と違うわけです。
中小企業なので、大企業と同じことをしても勝負にならない、勝ち目は、ないわけです。
だから、どんどんリスクをとって、新しいことに、チャレンジしていくわけです。
チャレンジすることは、リスクありますが、リスク取らないと、成績が伸びません。
その結果、伸びていき、株価が上がっていく、というわけですね。
大企業に所属してたことがある方、あるいは今所属している方は、なんとなく分かると思うのですが、大企業に入ると、新しいことにチャレンジするのは、難しいと感じませんか?
例えば、若い世代の意見で、こういうアイディアがある、こういうことをやりたい、と言っても、なかなか上に届きません。
私は、以前、郵便局で働いていて、勤務先が、九州で一番大きい郵便局だったので、500人ぐらい職員が、勤めていました。
当時は、かんぽの営業しており、飛び込み営業もしていて、呉服屋さんに行った時に、社長さんと、色々なお話をしました。
その時に、呉服屋さんの社長さんが、
「郵便局の空いてる会議室とかで、呉服の展示会とか、やれたら面白いなー。」
という話をしてたんですね。
私も、そうしたことが、きっかけになって、呉服屋さんも、売上が上がって、その売上で、かんぽに加入してくれたら、嬉しいなと思っていました。
そしてある時に、若手が直接、局長と話すというイベントが、ありました。
局長に直接、話せる機会なんて、普段下っ端には、ありません。
500人も勤めている、郵便局の局長なので、雲の上の存在で、話せるなんて恐れ多いと感じていました。
思い切って、その時に、呉服屋さんの社長さんの話をして、
「郵便局の会議室で、展示会はできませんか?」
と言ったんですけど、もう一言で無理無理と言われました。
やはり大企業だと、なかなか面白いことは、できませんよね。
私はたまたま、局長と話す機会がありましたが、普通なら、上司に提案することも難しいと思います。
中小企業で、社長が、近い存在だったりすると、社長に意見を、言えたりしますよね。
そもそも社長が、若かったりもするので、新しいことにチャレンジしていて、それが成功して、株価も上がっていっているのかな、ということです。
ひふみプラスから話が、それているのではないか、と思われたかもしれませんが、ここからが、ひふみの話になっていきます。
ひふみは一体、どういう運用スタイルをしているのか?
ひふみ投信の社長の、藤野さんの本を読んで頂くと、分かります。
藤野さんは、大企業への投資は、全然ダメだと感じていらっしゃいます。
中小企業ほど頑張ってる、こういう会社に投資をすべきなんじゃないか、ということです。
小さい会社は、ものすごいアイデアを持っており、これから世の中の役に立つであろうことを、準備中だったりするわけです。
それを、研究開発、世の中に出すためには、ものすごくお金が必要になると、そういう会社に投資して、応援する、これこそが、本来の投資じゃないかと、考えているわけです。
中小企業に投資して、その会社が伸びて、株が上がったり、あるいは配当金を出してくれると、最終的に、それが自分のところに、返ってくる、ということがあるわけです。
投資する人は、嬉しいし、中小企業にとっても、嬉しいですし、その会社の新しく出した商品やサービスによって、社会全体が、その恩恵を受けられる、ということで、みんなにとって、良いわけです。
ですから、こういう中小企業で、頑張っているところを狙って、応援していこうというのが、ひふみのスタンスです。
組入上位銘柄を、見ていただくと分かります。
1位 ショーボンドホールディングス
2位 SHIFT
3位 東京センチュリー
知ってる会社ありますか?
ひふみ投信は、中小企業にどんどん、投資しており、そして中小企業が、頑張って売れているので、値上がりしている、ということになるわけです。
今回の質問に戻りますと、
「今からひふみプラスに、積立するのは遅いでしょうか?」
ということでしたね。
さあ今後、中小企業が頑張るのを止めるでしょうか?
研究開発や、新しいアイディア出して勝負していこう、ということを止めるでしょうか?
考えにくいですよね。
これからも、中小企業は、頑張っていくわけです。
ということなので、私は、ひふみプラスに、積立するのは、全然遅いとは、思っていません。
私自身も、ひふみプラスに積立してます。
ひふみプラスだけではなく、他の投資信託にも分散投資してます。
また、積立する時に、遅いのかなと感じる場合、このあと下がったら、どうしようと不安に感じるかと思うんですが、むしろ積立する人にとって、投資を始める初期段階では、下がってくれた方がいいです。
今後、上がり続けていくと、積立する時に、どんどん高いものを、買っていくわけです。
それが、最後に下がったら、高く買ったものが、全部下がるので、かなり損失になるわけです。
逆に、積立する場合は、下がってくてれた方が、いいです。
最初に下がってくれると、安いものが、いっぱい買えます
それが上がっていくと、安く仕込めたのが、全部上がってくれる、ということです。
ですから、積立してる人は、最初下がった方がいいので、今からひふみプラスに、積立するのは、遅いということは、全然気にしなくてもいい、というわけです。
下がったら、どうしようということも、全く気にする必要はない、という風に思います。